クイン・エマニュエルは特別セミナーを2月22日に開催いたしました。
六本木ヒルズ(アカデミーヒルズ)で開かれた今回のセミナーはクイン・エマニュエルのマンハイム(ドイツ)オフィス代表のマーカス・グロッシュが講義を担当。「欧州特許の最新事情と戦略」と題して、イギリスと並び、ヨーロッパの特許訴訟が最も多く開かれるドイツから、最新の情報を提供させていただきました。
セミナー概要
1. 今日の欧州特許訴訟システムの主な特徴
A) 訴訟をどこで起こすか
B) 未だ顕在“Italian Torpedo”
C) 欧州統一特許訴訟システム計画の展望 ー 米州システムとの比較
2. 独占禁止及び特許法の接点
A) 特許訴訟におけるFRAND(公正合理的かつ非差別的)ライセンス条件
B) ETSI(欧州電気通信標準化機構)要綱
C) Patent Ambush(特許の待ち伏せ)
3. 侵害と有効性
A) 主な問題:特許要件を圧倒するため付与後特許を改訂 ー 侵害と有効性手続きの接点
B) クレーム解釈に関する今日の判例
C) 特許の進歩性に関する今日の判例
今回ご参加くださったのは約130人。
日本国内の企業や政府関係、報道関係など幅広い分野の皆様にお集まりいただきました。
出願される特許のうち、およそ16%を日本企業が占めていると言われるほど、日本企業の関心を集めるヨーロッパ市場。今回のセミナーでは、制度の複雑さ、企業にとって有利な特許取得方法や、具体的に訴訟を起こすのに適している場所(国、地域)を解説したほか、最新の戦略として用いられている特徴的なケースを報告させていただきました。
また、講義に続いて展開した質疑応答では、皆様からお寄せいただいた質問に、マンハイムオフィス代表のマーカスに加え、東京オフィス代表ライアン・ゴールドスティン、ウェイン・アレキサンダーが回答させていただきました。
多く寄せられたのは、訴訟戦略の一つであるイタリアン・トルピードは有効かどうか、また、訴訟を有利に運ぶためには弁護士と密にコンタクトを取る必要があるというアドバイスもさせていただきました。
さらに、アメリカ市場との比較についても多く関心をいただき、コスト・コントロールや市場においての効果的な特許権の活用法などについて回答させていただきました。
講演は、終始、皆様の真剣なまなざしに支えられ、無事に終了することができました。
心より感謝申し上げます。
セミナー終了後のレセプションやアンケートにおいて頂戴しました貴重なご意見やご質問はさらに私どもの活動に余すところなく反映し、今後の皆様のお仕事のお役に立てられますよう努めてまいります。
講師を担当したマーカス・グロッシュ
講演中の会場の様子
講演中の
ライアン・ゴールドスティン
次回のセミナーについて
次回の特別招待セミナーは、アメリカ市場を主題とする予定です。
皆様からのご意見、要望などお待ちしております。