お客様にとってもっとも関心のある知財や独禁法・金融・労使関係などの最新の話題をお届けします。
御社の法務・経営戦略にお役立てください。
-
AIに関する米国法の最新動向
(26/08/21)
クイン・エマニュエルは、AIを巡る米国法の最新動向について、50ページを超える英文レポートを作成しました。そこで本稿では、その内容を簡潔にご紹介します。
AIを巡る法制度は極めて速いスピードで変化しており、裁判例や行政機関のガイダンス、州法の制定などを通じて新たな法的リスクが「不断に」ともいうべきペースで発生しています。そしてこれは、AIの開発・導入・利用を行う企業に、知的財産、プライバシー、雇用、証券規制など、多岐にわたる分野で重要な影響をもたらす可能性があります。
そこで、この問題についての主なトピックを以下において簡単にまとめてみましたので、ご関心のあるテーマや貴社への影響について詳しくご検討されたい場合は、東京オフィスへご連絡ください。個別の事業内容を踏まえた実務上の影響についてご説明いたします。
主なトピック
■ 知的財産権と営業秘密
AI技術における営業秘密保護の重要性の高まり、AI関連発明の特許化に関する基準の変遷、米国特許商標庁(USPTO)による最近のガイダンス、および従業員によるAIを活用した営業秘密の窃取リスクの増大について論じています。また、企業が機密情報を保護するために検討すべき実践的な対策についても取り上げています。
■ AIによって生成された発明と特許戦略
特許保護を受けるために人間が重要な発明的貢献を行う必要があるという要件を含め、AIを用いて生み出された発明を規定する現行の規則について検討しています。また、AIによって生成された先行技術の役割の拡大や、それが特許性に対してどのような影響を与える可能性があるかについても論じています。
■ AI生成先行技術(Prior Art)
AIによって大量に生成された技術情報が将来の特許取得を妨げる可能性や、その法的課題、および今後想定される制度変更について検討しています。
■ データスクレイピング
公開されているオンラインデータの自動収集をめぐる最近の訴訟事例を要約しています。これには、トレーニングデータを求めるAI開発者と、スクレイピング活動を制限しようとするウェブサイト運営者との間で続いている対立という問題も含まれます。
■ プライバシー、録音およびAI会議ツール
AI訴訟の中で最も急速に発展している分野の一つは、AIを活用した通話録音、文字起こし、メモ作成、およびカスタマーサービスツールに関するものです。そのため、ここでは、同意についての要件、盗聴に関する法令、生体認証プライバシー法、およびこれらの技術を導入する企業に影響を与える可能性のあるその他のプライバシー関連の主張に関する最近の訴訟を検討しています。
■ 著作権とコンテンツを用いた学習
AIモデルの学習に著作権保護対象作品を使用することについての係属中の訴訟、ならびにAIが生成したアウトプットや潜在的な著作権をめぐる問題について分析しています。
■ 製造物責任
AI製品や自律システムに関連して発生する新たな責任、特にAIが生成した決定やアウトプットに対する責任に関する問題について検証しています。
■ 雇用
採用、人材募集、および雇用決定におけるAIに対する規制の強化について論じています。これには、連邦政府のガイダンスや、自動化された意思決定ツールの使用について急速に拡大している州の規制が含まれます。
■ 証券規制と「AIウォッシング」
上場企業は、自社のAI能力に関する表明について、ますます厳しい監視に直面しています。そこで、SEC(米国証券取引委員会)の執行の動向や、AIの機能や競争優位性を過大評価することに伴うリスクについて検証しています。
■ 各州における新たなAI関連法案
包括的な連邦規制が存在しない中で、州レベルでは引き続き重要なAIおよびプライバシー関連法案が制定されています。そこで、複数の法域における重要な動向を要約し、将来の立法に影響を与える可能性のある傾向を特定しています。
■ 今後の規制動向
最後に、AI規制の将来的な方向性に加えて、イノベーションの促進、プライバシー、セキュリティ、知的財産、消費者保護のための安全措置の導入との間で生じている継続的な緊張関係について考察しています。
AIに関連する法的リスクは急速に変化しており、多くの場合、それは、立法府や規制当局が明確な指針を示す前に訴訟を通じて明らかになります。AIを利用する企業は、社内でAI製品を開発しているか、それとも市販のツールを導入しているかを問わず、ガバナンスの実践、知的財産戦略、プライバシーコンプライアンス、ベンダー契約、従業員ポリシー、および内部統制を定期的に見直し、この急速に変化する法的環境に確実に適合し続けるよう努める必要があります。
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン
外国法共同事業法律事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン
この件につきましてのお問い合わせ先
マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com




