お客様にとってもっとも関心のある知財や独禁法・金融・労使関係などの最新の話題をお届けします。
御社の法務・経営戦略にお役立てください。
-
連邦巡回区控訴裁判所が損害額算定のための25%ルールを撤廃 (11/05/25)
最近、連邦巡回区控訴裁判所は、特許訴訟における損害額算定のためのいわゆる「25%経験則」を否定した。ユニロック事件(Uniloc USA, Inc. v. Microsoft Corp., 2011 WL 9738 (Fed. Cir. Jan. 4, 2011))の前は、特許訴訟における損害額の算定は、しばしば問題の製品の価値の25%という基準実施料率を推定することから始まった。そして、その実施料率は、ジョージア-パシフィック事件で示された考慮要素に従って上方又は下方に調整されていた。
しかし、ユニロック事件において連邦巡回区控訴裁判所は、「25%経験則に依拠した証拠は、……合理的な実施料率と事案の事実関係とを関連付けていない。」と認定した。特に、同裁判所は、25%ルールは、特許と問題の製品との間の特有の関係を考慮しておらず、当事者間の特有の関係を考慮しておらず、また、損害額の分析の指針となる仮想的交渉モデルと何の関係もないため本質的に恣意的であると認定した。
連邦巡回区控訴裁判所が述べるように、「25%経験則は、たとえば、(a)TinyCoとIBMとの間のハード・ドライブの開発のさまざまな側面を対象とした12の特許による強力な特許ポートフォリオや、(b)KodakとFujiとの間の特殊フィルム感光乳剤のわずかな改善についてのたった1つの特許についても、25%と75%という同じ実施料率の配分から実施料率に関する議論を始めることを期待している。」結論として、同裁判所は、ダウバート基準及び連邦証拠規則の下では、25%経験則に依拠した証拠は採用できないと判示した。
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン外国法事務弁護士事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン
この件につきましてのお問い合わせ先
マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com