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ノン・プラクティシング・エンティティ(NPE)に対処する立法の現状 (13/12/10)
国会議員は、ノン・プラクティシング・エンティティ(NPE)又はパテント・アサーション・エンティティ(PAE)による濫用的な行為を制限することを目的とする、少なくとも6つの審議中の法案を提出した。
下院の、Saving High-Tech Innovators from Egregious Legal Disputes Act(SHIELD法、H.R. 845)は、適切な場合に、勝訴当事者に弁護士費用を含む費用を回収することを認めるフィー・シフティング条項を有するとともに、当該費用の回収を容易にするために、おそらくは訴訟の早い段階で、特許権者に担保の提供を要求するものとなるであろう。
End Anonymous Patent Act(H.R. 2024)は、特許、出願中の特許又はその利益の販売、供与又は譲渡を受けた主体が、米国特許庁に対して権利者の移転の通知を提出する前に発生した被疑侵害行為に対し、損害賠償の請求をすることを排除するものとなるであろう。Patent Litigation and Innovation Act (H.R. 2639)は、厳格な訴答の要件を設け、利害関係を有する当事者による介入を認め、クレーム解釈若しくは訴訟却下又は訴訟移送の申立てのいずれかが判断されるまではディスカバリーの停止を要求し、及び裁判所にディスカバリーの間の当事者の行為について判断することを要求するものとなるであろう。最後にStopping the Offensive Use of Patents Act(STOP法、H.R. 2766)は、AIAに定められた対象となるビジネスモデル特許の暫定プログラム(Transitional Program for Covered Business Method Patents)を、「金融商品及びサービス」から拡張し、2020年とされた当該プログラムの現在の有効期限を撤廃し、特定の種類の特許の侵害を主張されたより多くの当事者が特許庁に対して、特許の付与及びその範囲の再検討の申立てを行うことを認めるものとなるであろう。いずれの下院の法案も、現在のところ下院の裁判所・知的財産及びインターネット小委員会において審理中である。
上院にもまた、下院のSTOP法と同様にAIAに定められた対象となるビジネスモデル特許の暫定プログラム(Trasitional Program for Covered Business Method Patents)を、「金融商品及びサービス」から拡張し、2020年とされた当該プログラムの現在の有効期限を撤廃することになるであろうPatent Quality Improvements Act(S 866)を含む、NPEを対象とする法案が提出された。Patent Abuse Reduction Act (S 1013)は、適切な場合に、勝訴当事者に弁護士費用を含む費用を回収することを認めるフィー・シフティング条項及び厳格化された訴答の要件を設け、かつ、許容されるディスカバリーの種類及び量を制限するものとなるであろう。いずれの上院の法案も、上院の司法委員会において審理中である。
州もまたこのような活動に参加している。例えばバーモント州は、近年、消費者詐欺の法律に「不誠実な特許侵害の主張」に関する請求原因を創設し、当事者がどのように特許を侵害しているかを特定していない、合理的な損害賠償の見積もりの提供をしていない、あるいは返答のための合理的な期間を提供していない特許催告書を送付したことを含めて、裁判所が特許権者による不誠実さの証拠として考慮することのできるいくつかの例示的要素を列挙した。そして2013年5月8日、バーモント州の司法長官は、既存のバーモント州法のもとで、MPHJ Technology Investments, LLCの不公正かつ詐欺的な取引慣行(具体的には、特許侵害訴訟を避けるために従業員一人当たり最大1,200ドルを要求し、2週間以内に返事がなければ訴訟を提起すると会社に通知する等)を告発する訴訟を提起した。
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン
外国法事務弁護士事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン
この件につきましてのお問い合わせ先
マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com