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特許訴訟でNetflix社、またも勝利
(23/07/28)
クイン・エマニュエルは複雑なビデオストリーミング技術をめぐりDivX社がドイツで提起した特許訴訟において、クライアントであるNetflix社に再び勝利をもたらしました。2023年6月に出された第一審判決で、連邦特許裁判所はDivX社が所有する欧州特許EP 2 661 696を全面的に無効としました。今回の勝利は、Netflix社にとっての一連の重要な勝訴の一つです。
DivX社はNetflix社に対し、特許侵害の疑いで世界中の複数の司法管轄区(米国、ドイツ、ブラジル、オランダ)で多数の訴訟を提起した。ドイツでは、DivX社はNetflix社のビジネスの中心であるビデオストリーミング技術に関する2件の特許を主張し、差止命令による救済と損害賠償を求めた。ドイツの二分法制度により、有効性と侵害はそれぞれ異なる場で判断されるようになっているのだが、DivX社はまず侵害裁判所であるマンハイム地方裁判所から一審で2件の差止命令を受けた(控訴中)。DivX社はNetflix社に最大限の圧力をかけるために、すでにこの2つの判決の予備的な執行を開始していた。しかし、DivX社の勝利も束の間、2つの特許はその後、連邦特許裁判所と欧州特許庁によって第一審で無効とされた。
すでに2023年3月に欧州特許庁は、DivX社がドイツとオランダで主張していたもう1つの特許EP 3 467 666を無効としていた。今回の連邦特許裁判所の判決により、2つ目の特許の有効性も争われることになり、ドイツでの戦況は完全にNetflix社に有利なものとなった。連邦特許裁判所はEP696の内容は、引用された先行技術に対して新規性があるものではなく、またその拡張も許されないとの判決を下した。DivX社は、8件の補助請求を提出することで特許を一部保護しようと試みたが、クイン・エマニュエルがこれらの請求さえも特許性の欠如を克服できるものではないと裁判所に納得させることができたことから、補助請求はすべて却下されEP 696特許は完全に無効とされた。DivX社は上訴することが予想される。
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン
外国法事務弁護士事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン
この件につきましてのお問い合わせ先
マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com