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「誤解を招くが虚偽ではない」:
Thompson v. United States事件とその影響
(25/08/29)
「誤解を招く」発言は、「虚偽」として刑事的に処罰の対象となるのか?
2025年に下されたThompson v. United States事件、145 S. Ct. 821, 825-26(Thompson事件)についての連邦最高裁判決 によれば、必ずしもそうではない。
Thompson事件の長期的な影響はまだ明確ではないが、この判決が21世紀を通じて進められてきた詐欺罪の適用範囲を縮小してゆくという傾向と一致している点は注目に値する。たとえば、Skilling v. United States事件では、誠実な業務提供に関する詐欺罪(18 U.S.C. §1346)の適用を、賄賂やリベートについてのスキームに限定し、非公開の自己取引には適用しないと判断された(561 U.S. 358, 409-11 (2010))。
さらに最近では、Ciminelli v. United States事件において、最高裁は、「コントロール権理論(right-to-control theory)」に基づく18 U.S.C. §1343の下でのワイヤー・クラウドの成立を否定し、連邦詐欺法は伝統的な財産権の侵害を伴うスキームのみを犯罪とするという判断を示した(598 U.S. 306 (2023))。
Thompson事件は、このような被告人に有利な最近の傾向についての最新の事例といえるだろう。
→本文は英語で提供しています。詳細はこちらでお読みください。(英語)
Misleading But Not False: Thompson v. United States and Its Implications
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン
外国法共同事業法律事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン
この件につきましてのお問い合わせ先
マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com




