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  • 英国仲裁法第72条:仲裁手続に一切参加しない当事者が裁定に異議を申し立てる権利
     (26/01/16)

英国仲裁法 1996年の第72条は、仲裁合意の当事者であると主張されていながら、仲裁手続に一切参加していない者が裁定に異議を申し立てる権利に関するものである。同条第1項(72(1))は、そのような者が以下の事項について、宣言、差止命令、その他適切な救済を求めて裁判所に申し立てることを認めている。

(a) 有効な仲裁合意が存在するか。
(b) 仲裁廷が適切に構成されているか。
(c) 仲裁に付託された事項が仲裁合意に従って付託されているか。

この救済を求めるために、それ以前に仲裁廷によって裁定が下されている必要はない。一方、同条第2項(72(2))は、仲裁裁定が下された場合に適用され、非参加者がその裁定に異議を申し立てる手段を提供する(具体的には管轄権欠如を理由とする第67条申立て、または重大な手続的不正を理由とする第 68 条申立てによる)。この意味で、72(2) は独立した救済ではなく、非参加者が第67条および68条に基づく救済を求めるための経路であると言うこともできよう。

第72条の根拠は、英国仲裁法 1996年の法案を審査した Departmental Advisory Committee on Arbitration Law により次のように示されている:

我々はこの規定をきわめて重要なものと考える。仲裁廷の管轄権に異議を唱える者に対し、仲裁手続に参加することや、自らの立場を守るため積極的措置を取ることを要求することはできない。なぜなら、そのような要求は、異議が実質的な根拠を持つかどうかという問題を前提としてしまい、重大な不正義を招く可能性が高いからである。そのような者は、そう望むならば仲裁手続を単に無視する権利を有する。ただし(異議が根拠薄弱であれば)執行可能な裁定が下されるリスクは負うことになる。他方、管轄権に異議を唱えるために仲裁手続に参加することを選択した者は、当然ながらそれとは別のカテゴリーに属し、そのような選択をした以上、我々が提案する時間制限等に従うことが公平かつ適切である。この規定は、一方では、早期に発見・提起されるべき管轄権異議によって仲裁手続が遅延したり、裁定が回避されたりすることを防ぎ、他方では、当該仲裁手続を無効とみなす当事者がそれを無視する正当な権利を保護するという二つの法益のバランスをとるものと言うことができる(London Steam Ship Owners Mutual Insurance Association v Spain [2013] EWHC 2840 (Comm) の Walker 判事参照)。

→本文は英語で提供しています。
Section 72 of the UK Arbitration Act: Rights of Parties Who Do Not Participate at All in Arbitration Proceedings to Challenge Awards




クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン
外国法共同事業法律事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン



この件につきましてのお問い合わせ先

マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com

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