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スクワイアーズ長官下におけるIPR開始率の動向
(26/04/03)
2013年に米国発明法(AIA)が施行されて以来、当事者系レビュー(Inter Partes Review、以下「IPR」)の申立は、特許侵害訴訟において被告となった特許の効力を争う当事者が、自分に対して主張されている特許を無効化するための信頼できるツールとなってきた。過去数年間、申立が審理される率は高い水準にあり、2022年、2023年、2024年には全申立の3分の2以上について審理が開始された。そのような中で2025年、米国特許商標庁(USPTO)の指導部が交代し、同年1月、コーク・スチュワート氏が長官代行に就任した。
スチュワート長官代行の下、特許審判部(PTAB)は「裁量的却下(discretionary denial)」に関する新たな方針を導入した。これは、IPR申立の内容(実体)が検討される前に、長官の裁量で申立を却下することを認める手続きである。この新手続きの導入により、2025年には全体的な審理の開始率そのものは低下した。しかし、本記事で解説されているように、実体的内容に基づいて検討されたIPRについては、引き続き高い率で審理が開始されている。したがって、IPRは依然として特許訴訟戦略全体において不可欠な要素であり、現在の裁量的却下の状況と、侵害を主張された側が訴訟で何を求めるかという文脈の中で常に検討されるべきものである。
スチュワート長官代行は、最小限の分析による簡略決定を下すことで、全申立の60%を裁量により却下した。これまでの長官の下では、合意(stipulation)によって概ね回避可能であった「Fintiv判例の司法経済性要素」を復活させたことに加え、スチュワート長官代行は、これ以前にはIPR申立人が考慮していなかった「定着した期待(settled expectations)」を含む他の要素の分析も開始した。そして、2025年9月23日にジョン・スクワイアーズ氏がUSPTO長官に就任したが、同氏はスチュワート長官代行の裁量的却下へのアプローチを踏襲している。これを見て、IPRの終焉を宣言する記事が世間にあふれたが、スクワイアーズ長官の決定を詳しく精査すると、異なる実態が見えてくる。実際、裁量的却下の手続きをうまく乗り越えることができれば、実体に基づいてIPRの審理が開始される可能性は高い。
→本文は英語で提供しています。
Trends in IPR Institution Rates Under Director Squires
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン
外国法共同事業法律事務所
東京オフィス代表 ライアン・ゴールドスティン
この件につきましてのお問い合わせ先
マーケティング・ディレクター 外川智恵(とがわちえ)
chietogawa@quinnemanuel.com




